
本日、劇団120◯ENは15周年を迎えました。
2011年4月30日。東日本大震災の翌月に、演劇という手段で自分たちの生きる意味を掴み取ろうと、旗揚げ公演を行いました。「缶ジュース一本で、気軽に気楽にお芝居を」という当時の想いは、困難な時期にそれでも演劇活動を選ぶ自分たち自身にも向けたメッセージだったように、今となっては思えます。
もともとのスタートも、震災直後の福島市で「演劇を観たい」という声を市民の方からいただいたところからでした。気軽に向けられたその言葉は、でも、その方の心からの声だったようにも思います。その後も、2020年の新型コロナウイルスによる公演中止や、2021年の10周年記念公演も福島県沖地震の被害で中止になるなど、「気軽に気楽に」届けられない状況に度々見舞われてきました。それでもそのたびに、劇場に旗を立てることができたのは、旗揚げのときと同じように「演劇が見たい」という声をかけてくださったお客様方、地域の皆さまがいたからです。心より感謝いたします。
のどが渇いたときに、自動販売機で缶ジュースを買うように。心が少しかわいたとき、僕らの演劇がほんの少しだけあなたの心を潤すことができたなら、こんなに幸せなことはありません。福島市だからこそ観ることのできる演劇にこだわり、50作品の上演を数えるまでになりました。これもけっして特別なことではなく、いま生きているこの街のことだから、「気軽に気楽に」演じられているのだと思っています。いま立っているこの土の上のことが、他のどこよりもよく解るはずですから。
このまちの土の上に残った私たちの足跡も、振り返れば15年分、最初の一歩は見えないほどに遠くになりました。旅立ちのときには軽かったカバンも、公演のたびに皆様からたくさんの想いを頂き、大切にしまっていますので、ずいぶん重くなってまいりました。最初の頃の私たちではとても抱えられない、一歩も動けない重さかもしれません。それでも、劇団員が増え、育てていただき、支えてくださる皆さまの声も大きくなり、重くなったカバンの分だけ、一歩一歩、より土深く掘り、より天高く跳ね、この街の面白い景色がどんどん見えてきます。山から吹き下ろす追い風に乗って、まだまだ気軽に気楽に進めそうです。
15周年記念公演は5月4日、その後も夏・秋と公演を予定しています。これからも良い作品を届けられるようこのまちの土の上を歩んでまいります。今後ともよろしくお願いします。
劇団120◯EN 一同

