あの兎と亀のかけっこがふくしまの羽根山(はねやま)で行なわれた後のお話です。
まさかの勝利を手にした亀、「亜亀良(あきら)」は、亀の里で「スター」と呼ばれて有頂天。
一方、敗れた兎「北兎(ほくと)」は、兎の里を追い出されて、亀の里の隅っこでひっそりこっそり暮らしていました。
でも、亀の里の亀達は、兎の事が大っ嫌い。
「亀の里は亀のものだ!兎は出て行け!」
困った兎に、亜亀良がニコニコ声をかけます。
「亀の里に住むならば、亀にならなきゃいけないな。」
―これは、亀化した兎、『亀化兎(きかんと)』と亀の物語。
本作のルーツ:羽根山の伝承
福島県福島市大笹生の羽根山に残る伝承。
太古の昔、現在の福島市は湖だったという伝説があり、羽根山は湖に浮かぶ島だった。その島には、大きな亀が住んでおり、「亀が森」とも呼ばれていた。
おとぎ話として有名な兎と亀のかけくらべも、この山が舞台であったのではないかと伝えられている。