1944年、荒井村国民学校(現在の荒井小学校)の新任教師・宍倉イネは、学校にあったアメリカ製の人形を「敵性人形」として処分するよう命じられます。この人形は、戦争が始まる前にアメリカから日本中の子どもたちに贈られたものでした。
イネ先生には、子どもの頃にその人形「メリー」と遊んだ思い出があります。「メリー」を壊すように言われたイネ先生は、戦時下の厳しい現実の中で思い悩み…。
本作のルーツ:友情人形
1927年に交流・親善を図るためアメリカから日本に贈られた西洋人形。 アメリカ人のシドニー・ギューリック博士が発起人となり、日本では実業家の渋沢栄一が中心となって人形の受け入れを進めた。 日本各地の幼稚園や小学校を中心に届けられ、「友情の証」として多くのこどもたちから熱烈な歓迎を受けた。 太平洋戦争がはじまると「敵国の手先」として大半の人形が処分されたが、当時の人々の尽力により決死の覚悟で匿われた数百体の人形が今もなお現存している。